ドラマはどこまで現実的であるべきなのか?

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治験コーディネーターに医療学会が反発

2018年4月期に放送された連続ドラマで、現実と乖離した描写があったことから、医療系の学会がテレビ局に見解書を提出しました。この学会の理事長は「これまでの善意で治験に参加してくれた患者さんの貢献を損なう」と発言したことで、注目度が高まり一躍有名人となりました。問題となったのは、治験コーディネーターが登場するシーンです。治験コーディネーターとは、医療機器や新薬を開発するために必要な治験を円滑に行って、医者と患者とを橋渡しする役目を果たしています。このドラマでは、300万円の小切手を負担軽減費として治験コーディネーターが患者に渡し、暗黙の了解として治験への参加を勧めるシーンがありました。

フィクションが果たす役割

実際の病院では、負担軽減費は1回の来院あたり昼食代や交通費として8千円程度であることが多く、多額の小切手を渡して治験への参加を促すことは禁止されています。この有名人になった理事長は、人気アイドルグループのメンバーが主演であることを危惧し、このドラマで患者が不信感を抱き、治験への協力が得られなくなってしまったら、医療業界にとって大きな損失だと主張しています。ドラマの最後には「このドラマはフィクションです」という断りを入れているものの、テレビ局側は対応に追われる結果となりました。フィクションには現実とのギャップを楽しむ一面もあり、視聴者の想像力や感性を豊かにする役割もあります。果たして、このような問題は「フィクションだから」という理由だけでは解決されないのでしょうか。

山本英俊はパチンコ機器卸会社の「フィールズ株式会社」の代表取締役会長です。また、「円谷プロダクション」の取締役会長、「デジタル・フロンティア」の取締役会長、「株式会社ほぼ日」の取締役も務めています。